NIRVANA / LOCAL ANAESTHETIC (紙ジャケ)
ニルヴァーナ(グランジじゃなくて英国のソフトサイケのほうね、ニルヴァーナUK)といえば、やっぱり71年の4枚目「局部麻酔」が有名ですよね。グループの事はよく知らないものの、このアルバムのジャケだけは見たことのあるかたも多いんじゃないでしょうか。
かく言う私も、素性や音楽性はよくわからないものの、なんとなく不気味なジャケに惹かれ紙ジャケをリリース時に購入。当時、何度か聴いてけっこう気に入っていたものの、ここしばらくはご無沙汰状態。この間ひさしぶりに聴いてみたんですが、いやぁ、いいですね~ しばらくは中毒状態のようにこればっかり聴くようになっちゃいましたよ。
もともとは6人組のグループとして67年にデビュー。その後メンバーの多くが脱退して中心人物だった2人、ドイツ生まれのパトリック・キャンベル・リオンズと、ギリシャ生まれのアレックス・スパイロポロウスのユニットと化し、69年にはセカンドアルバムとサードアルバムをリリース。その後、アレックスとも決別したパトリックが様々なセッション活動の後、バーティゴからリリースしたのが本作「局部麻酔」。
アナログの各面に組曲1曲ずつ(このCDでは2曲目が②~⑥にトラック分けされてますが)といった内容だったり、キーフの手による意味深な雰囲気のジャケもあって、ニルヴァーナUKの諸作のなかでも異色作として捉えられているようですが、彼らの持ち味である煌びやかでキャッチーなメロは健在だし、ジャズやアバンギャルド、R&Bなどの要素をごちゃ混ぜにしたようなサウンドながらも、ポップで聴きやすいです。
組曲形式になってることもあってか、プログレ好きにも好まれているようですが、これはたぶんパトリックが行っていた様々なセッションでの録音をつなげただけのような気も・・・14分強の1曲目の「Modus Operandi」を解説してみると
0:00~ フリージャズっぽい展開。意味不明な叫びもあって、う~ん、アバンギャルド。
1:17~ 唐突にR&Bテイストなポップナンバー。ギターソロからドラムソロに・・・
3:41~ ジャジーなインストでエレピとフルートがスピリチャアルな雰囲気。
5:20~ こちらも唐突にポップでキャッチーなロックンロール。
6:19~ ブラスも導入されたジャズファンク調のバックにのせたギターソロ。
7:41~ こちらもファンキーでどことなくアーシーなストーンズ風のロックンロール。
8:53~ シャッフル調のブルースロックなバックに、ギターやキーボードなどのソロが長らく続きフェイドアウト
文字にすると、なんだかわかりにくいようですが、冗長な感じはまったくなくてすんなり聴けますね。2曲目の組曲「Home」に関しては、②③⑤のような胸キュンなメロのソフトロック的バラードや、ポップなロックンロール④など個々の曲としても楽しめますね。一連の組曲としても体を成してますが、②冒頭のアフリカンなパーカッションや、とってつけたような⑥など「?」となる感じも彼ららしいような気が・・・
サイケやジャズ、R&Bなどの要素は感じられるものの、アルバムを通して感じるイメージは「キャッチー」であり「ポップ」。とはいえ、キレイにまとまった感じはあまりなく、少々とっちらかった感じはあるんですが、なんかそこがまた魅力的なんですよね。う~ん、他のアルバムも聴いてみたくなったぞぉ・・・(次回に続く)
1. Modus Operandi
Home
2. Salutation
3. Construction
4. Destruction
5. Reconstruction
6. Fanfare