LATE 70s NEW WAVE/POST PUNK 名盤 ③
今回記事にする5枚、「大好きか?」と問われれば迷ってしまうのは否めないものの、どれも愛すべき作品で時たま無性に聴きたくなるものばかりなんですよね。
YOUNG MARBLE GIANTS 「COLOSSAL YOUTH」 (1980年)
最初にご紹介するのはヤング・マーブル・ジャイアンツの唯一作。
サウンドの基調はサウンドの根幹となるベースと素人感丸出しな女性ヴォーカルとエフェクトなしのペケペケなギター。曲によってはオルガンが入っていますし、全編でチープなリズムボックスも聴けますがビート感はほとんどなし。
分かりやすくいえば、めちゃくちゃ簡素なデモテープ、もしくは録音したマルチからドラムやオーバーダブをオミットしたような超スカスカな感じ。この時代でなければ冗談でもリリースされなかったであろう1枚ではありますが、これが聴くほどにキュートやポップさが愛しくなってくるもんだから不思議ですよね~
THE FLYING LIZARDS 「THE FLYING LIZARDS」 (1980年)
楽器を全く弾けないアートスクールの学生デヴィッド・カニンガムのユニット、フライング・リザード。
楽器を弾けなくてもレコードが作れるんだと言うことで一種のエポックメイキングとなったこのアルバム、PCで音源が作れるようになった現在では当たり前かもしれませんが、当時はかなり話題になったようですね。
とはいえ、どこか呪術的な78年のデビューシングル「サマータイム・ブルース」とダンボールを叩いた音をサンプリングしてドラムとした79年のシングル「マネー」こそそんなDIY的手法が取られていたものの、その2曲のヒットを受けて制作されたこのファーストアルバムは、ポップグループ周辺のミュージシャンが参加してることもあって思いのほかまっとうな内容になっておりますね。
世間的にはロバート・フリップらが参加した81年の2nd「FOURTH WALL」のほうが評価が高いようで、確かに音楽的に進歩はしておりますが、個人的にはすっとぼけた感の残っているこの1stに軍配かな。前述したヤング・マーブル・ジャイアンツ以上にど素人な女性ヴォーカルも、おちょくった感じでグッドです!
THE SLITS 「CUT」 (1979年)
キワモノ系といって多くの方が思い起こすのはスリッツなんじゃないかな。
パンクというよりはレゲエ/ダブの近いサウンドですが、やりたい事にテクニックがついていかない脱臼したようなサウンドが個性となっておりまして、僕も数年前、最初に聴いたときはすぐに売却してしまおうと思った1枚でしたが、これがなかなかのスルメ系。
素敵な土人ヌードジャケもあって手放せなかったってのが本当のところではありますが、天真爛漫さと以外に高度な音楽性(前述したように上手く表現しきれてるとは言えませんが・・・)はポストパンクを代表する1枚でしょう!
THE RAINCOATS 「THE RAINCOATS」 (1979年)
で、スリッツとシーンを二分するガールズロックバンドがこのレインコーツ。
内容に関しては、ちょっと前にアップした記事をご参照いただきたいんですが、これもまたスリッツ同様に演奏技術を不問として聴くのが正しいアルバムかな。
THROBBING GRISTLE 「20 JAZZ FUNK GREATS」 (1979年)
最後はスロッビング・グリッスルの4th。こちらも詳細は過去記事を見ていただくとして、変態度という点ではここ数日で紹介した15枚のうちではNo1!
コラージュやノイズがあったかと思ったら軽快なエレポップもあったりで、アルバムタイトルやジャケ写(自殺の名所です)、バンド名、メンバーのバイオ等々どれもブレがなくアバンギャルド。いまだに内容を理解しがたいところはありますが、どうしても手放しがたいアルバムなんですよね。