ブラック・ムービー(70年代初頭に流行したアフロ・アメリカンを主役に据えたアクション映画)のサントラって意外に名盤が多いんですよね~ アイザック・ヘイズ「シャフト」、カーティス・メイフィールド「スーパーフライ」が群を抜いて有名ですが、それ以外の素晴らしい何枚かをご紹介です。ちなみに映画自体はどれも未見です。
SWEET SWEETBACK'S BAADASSSSS SONG (1972年)
監督、主演、脚本のメルヴィン・ヴァン・ピーブルズが音楽も手掛けたブラックムービー最初期作品のサントラ。デビュー前のEW&Fがジャズファンクなタイトル曲などで参加しており、劇伴やセリフなどをコラージュなど、少々アバンギャルドな世界が堪能できます。
SHAFT IN AFRICA (1973年)
黒人私立探偵シャフトが活躍する「黒いジャガー」シリーズの第3作「黒いジャガー/アフリカ作戦」のサントラで、アレンジャー/プロデューサーのジョニー・ペイトが音楽を手掛けております。フォートップスのタイトル曲も良いですが、何といってもレアグルーブ人気曲 Shaft In Africa (Addis)が最高!
WILLIE DYNAMITE (1974年)
ジャズトロンボーン奏者J.J.ジョンソンが音楽を手掛けた「ウィリー・ダイナマイト」のサントラ。マーサ&ザ・ヴァンデラスのマーサ・リーブスが歌う4曲を中心に、他にもレアグルーヴ、ブレイクビーツな聴きごたえあるカッコいい楽曲揃い。
SUPER FLY T.N.T. (1973年)
カーティスがサントラを手掛けた「スーパーフライ」の続編映画のサントラ。こちらではガーナ、ナイジェリアなどの出身者によりイギリスで結成されたアフロなロック/ファンクバンド「オシビサ」が音楽を担当。
73年というとオシビサもロック色が徐々に後退し、カリビアンなどワールド色が強くなってきた時期で、ブラックムービーにサントラでよく聴かれるドス黒くて不穏な雰囲気はあまりなく、少々カラっとしたところも。
ACROSS 110th STREET (1972年)
ボビー・ウーマックが6曲を担当し、他5曲のインストをJ.J.ジョンソンが手掛けた「110番街交差点」のサントラ。歌ものもインストもファンキーでグルーヴィーなものが多く、ボビーのアルバム「COMMINICATION」「UNDERSTANDING」あたりがお好きな方には特にオススメです。
TROUBLE MAN (1972年)
名盤「WHAT'S GOING ON」をリリースしたマーヴィン・ゲイが次に取り組んだのがコンポーズとプロデュースを務めたサントラ「野獣戦争」。彼が歌っている「Trouble Man」1曲以外はすべてインストで、全体的にはジャズテイストが強いですが、数曲のではシンセがメロディーで使われるなどの新機軸も感じられます。
LET'S DO IT AGAIN (1975年)
最後に紹介するのは75年のコメディー映画「シドニーポワチエ/一発大逆転」のサントラ。カーティス・メイフィールドがコンポーズとプロデュースを担当しステイプル・シンガーズが歌うタイトル曲が全米1位になりました。
前半5曲はまさにステイプルシンガーズのアルバムといった感じでカーティス曲との相性もなかなか。後半3曲はカーティス色の強いインスト(若干コーラスは入っていますが・・・)となっております。